カレーにインスタントコーヒーを入れる理由
ときどき耳にする隠し味の話のひとつとして、「カレーを作るときにインスタントコーヒーを入れる」というのがある。残念ながら、現在我が家にはインスタントコーヒーはないし、過去、インスタントコーヒーが手元にあったときでも、そんなことを試す気には全くなれなかったので、私自身はまだ試したことがない。話を聞くたびに、なんでそんな変なことをするんだとしか思わなかった。
だが最近、何となく理由がわかった。おそらく、お茶漬けのもとのに入っているあられや、いろんな料理のソースに使うカラメルを使った風味付けと同じような、香ばしさを追加するためのテクニックに違いない。
なぜそんなことを思うかというと、最近、カレー作りで失敗したからだ。野菜を炒めるのをめんどくさがって、乱切りにした肉と野菜をそのままお湯で煮て、インスタントのカレールーのもとを溶かし込んでみたら、これが実にまずい。カレールーそのものがこげがしてしまうと油脂のこげる嫌なにおいにしかならないが、下ごしらえの段階で炒めた野菜、特にタマネギなど糖分の多いものは、適度にこげると食欲をそそる香ばしい香りになる。その香りが欠けているとできたカレーはまずい。
このまずいカレーをしみじみと味わいつつ、何が不足しているかを考えた末に気がついたのが、香りが単純すぎるということだ。ああ、炒めるのには理由があるんだなと今さらながら納得した次第である。
失敗作を救済するには、香ばしい香りを補ってやればよかろうと、冷蔵庫に残っていた材料を小さく刻んで良く炒めてからルーに追加。何とか状況は改善した。想像だが、インスタントコーヒーを入れる理由も、風味付けだと思う。今度、チャンスがあったら実験してみたい。
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