ヒノキのスポルテッド
日曜大工の素材として、薪や建築端材を買い集めている。
「スポルテッド」というのは、カビや細菌によって木材の中にできた墨流しのような模様で、一般的に流通しているのは広葉樹に生じたものなのだが、先日、偶然、ヒノキの心材部分にスポルテッドを見つけた。80キログラムくらい買った端材の中の、ひとカケラだけなのだが。下の写真の右側の直方体がそれだ。左の木片は、薪として買ったナラのカケラ。ナラのスポルテッドは、ネットで検索するとあちこちのサイトにある。
カビや細菌を寄せ付けにくいヒノキの心材に生じていて、どちらかといえば心材よりも腐りやすいはずの辺材には影響が出ていない。それに、材の硬さも特に劣化しているようでもない。ちょっと不思議な気がするけれど、針葉樹であってもカビや細菌で最終的には分解され土に還るのだから、もしかしたら、市場に出まわってこないだけで、スギやヒノキにも、スポルテッドの生じているものはいくらでもあるのだろうか。ただ、日本の木材に対する文化では、塗装なしでも腐りにくい白木のヒノキの美しさに価値を認めているので、「腐りかけて模様ができている」ような木材は、ただの不良品とし廃棄されているのかも知れない。
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