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2007.08.26

買い換えたほうが安いのに、パソコンを修理する

引越し前から様子のおかしかったパソコンが、1週間前に完全に使えない状態になった。原因は、ディスプレイカードに電源を供給している回路の電解コンデンサの破裂であった。6年半前に買ったパソコンなので、もう寿命といってよい。パソコンを構成している部品の中で、電解コンデンサは熱に弱く寿命の短いほうに属するので、普通の電気製品よりも熱くなる傾向の強いパソコンにおいては、これが壊れるというのは割とよくあることである。しかも、今年の夏は例年になく暑かった。

8月はじめごろから時々様子がおかしくなってきて、最初は単なる熱暴走かと思い、パソコンのケースを開け扇風機で風を送りつつ使っていたのだが、夏休みで3日間留守にしてから戻ってきて、3日ぶりに電源を入れてみたら、本格的にだめになっていた。実は、夏休みをとる前の時点で、PCIかAGPに関連する電源部品のどれか・・・ おそらくは電解コンデンサに問題がおこりつつあるな、ということは判明していたので、夏休み中に新しいパソコンに買い換えるつもりだった。

完全に買い換えるとパソコンごみは有料処分で引き取ってもらうことになるし、ハードディスクやケースなど、かさばる部類のものはまだ使えるので、夏休み前に、自作パソコンのネットショップで適当にマザーボードなどを見繕って買い揃えるつもりだったのだが、これはと思う組み合わせは、意外と納期がかかることがわかった。そこで、休みに入ったら、通販ではなく実際に店舗に出かけていって買おう・・・ などと思っていたのだが、あまりの暑さに出かける気にもなれず、結局帰省する前日まで放置していた。この時点では、まだパソコンが動作していたし、帰省のための飛行機の切符も、このパソコンを使ってJALのサイトから直接買うことができたので、「ちょっと様子は変だけど、この夏を乗り切れば大丈夫だろう」などと、事実を直視せず、パソコンのスイッチを切ってさっさと空港に行く。

さて数日が過ぎ、帰省先から戻ってきて、パソコンの電源スイッチを入れてみたところ・・・ 起動画面が一応は表示されるが、OSが起動するところまでたどり着かず、文字の表示がめちゃくちゃになる。何度か試してみると、たまにOSが起動するが、どうせ数分以内にフリーズする。もう、使い物にならない。

明らかにディスプレイカードの異常にみえるが、実際は2週間以上前から気がついていた、マザーボードの電解コンデンサの破裂が原因である。それは、AGPポートに電源を供給している部分にあった。6年半働いてくれていたAGPのビデオボートは Matrox の G450で、これ自身には何も問題はないはずだ。

さて、仕事は始まっているので、もうパソコンショップにマザーボードやら何やらを買いに出かける暇はない。ネット通販を利用しようにも、パソコンが使えないのでは話にならない。しばし考えた末に、10年半前に買った、引越し時に捨てるつもりで結局捨てるチャンスのなかった、古いパソコンから、PCIのディスプレイカードを引っこ抜いてきて差し替えることを思いついた。それでだめなら、また次を考えよう。

試してみたところ・・・ ああ、何とか動きますね。S3の古いボードなので、わざわざチップメーカーからデバイスドライバをダウンロードするまでもなく、最初からWindowsXPのCDの中にドライバがあり、ボードはほとんど何の設定も必要とせず簡単に動作した。もっとも、ドライバをチップメーカーからダウンロードしようにも、このチップはWindowsXP発売以前に生産が終了していて、新しいバージョンのドライバがあるはずもない。ちなみにこのボード、搭載チップは S3 ViRGEで、VRAMは4メガバイトある。なお、S3は2003年に一度倒産したせいか、ドメイン名が変わっている。ニュースサイトの古い記事では、S3関連ニュースのあとにS3のURLとして www.s3.com と書いてあるが、今、このドメインは別の会社のもののようだ。現在は、www.s3graphics.com である。

性能面では現在とはおよそ比較にならない10年前のボードだが、少なくとも、メールのやり取りやブラウザを使ってネット通販サイトから何かを買うという程度の仕事なら、これでも使える。ただし、文字と写真しかない普通のサイトを表示させるだけでも、スクロールは遅い。まして、WindowsMediaPlayerやRealPlayerで動画を再生させてみると、さすがに、まともに表示もできないのだが、FlashPlayerを使っているYoutubeの動画サイトにブラウザでアクセスしてみたら、画質は悪いものの、これは音と絵の同期がずれることなくちゃんと再生された。Youtubeは画像小さくて粗いからということもあるだろうが、意外と使えるものである。

さて、この経験のせいで、「もう少しましな性能のPCIバスのビデオカードを中古で買って、しばらくは間に合わせるか・・・」などと考え始めたのが、そもそもの間違いの始まりである。

職場近くの某大手家電量販店は、パソコン売り場はあるものの、自作用の部品なんておざなりにしか置いてない。あるのは、金持ちが買いそうな最新型のハイエンドなボードだけである。「PCI」と「PCI-Express」では、字面だけ見れば近い親戚のようだが、実際には登場した時期が何年も違う。古い部品を扱っている中古ショップならともかく、家電量販店のパソコン部品売り場にPCIのビデオカードがあるはずがない。はずだった・・・ が、なぜか1枚だけあった。

最初に箱を見た瞬間に思ったこと。「印刷ミス? これ、Expressという単語を書き忘れただけでしょう。」 だが、本当だった。搭載チップは nVidiaのGeForce6200A、メモリは128MB。使うつもりはないけれど、これなら Windows Vista の3Dデスクトップ画面も動くはずですなぁ・・・ でも、もうすぐ廃棄するつもりのパソコンの延命に1万円のボードを買い足すのは馬鹿げている。3万円も出せば、今のパソコンのマザーボードとCPUを入れ替えて、最高級とはいわないものの、現在の標準的なレベルのものに仕立て上げることができるのだから。

合理的に考えれば、さっさと新しいマザーボードを注文しておいて、この週末にパソコンの中身を入れ替えてしまえばよかったのだが、どういうわけか、このGeForce6200Aのボードとのめぐり合わせは無視することができず、結局、数日前に買ってしまった。ネットで情報を集めたところでは、ドライバに問題があって動画再生が動かないことがあるという話もあったのだが、nVidiaのサイトから最新のドライバをダウンロードして使ってみて、今までのところでは問題は起こっていない。

開発された時期が何年も違うのだから比較しても仕方ないのだが、動画を再生させてみると、以前のG450のボードでは音と同期が取れなくなってしまうような解像度のデータでも、今回のボードでは時間がずれることなく再生された。(残念ながら、私はパソコンでゲームをしないので、3次元CGに関する評価は全くできない。) PCIバスのボードだということもあって、動画再生能力が改善されるかどうかについて特に期待はしていなかったけれど、さすがに新しいチップを使っているだけのことはあり、ちゃんとハードウェア・アクセラレーションが効いているようだ。もともと動画再生という分野では、計算の大部分がCPUで処理されていたので、3次元CGとは違いビデオカードのチップの能力差はあまり出ないといわれていたが、チップメーカーとしては、何とか売り込み先を広げるべく、自社チップのい機能を活用して動画再生能力を高めるためのドライバソフトを用意していて、WindowsMediaPlayerなどの動画再生ソフトにそれを呼び出してもらうように働きかけている。動画再生ソフトの作り手にしても、再生能力は高いに越したことはないので、その種の技術は積極的に採用しているはずである。

デジタルの世界は、古い機材にどんなに追加投資しても、後から発売されたものよりよくすることはできない。新しい機種と同等にするためのコストが、新品を丸ごと購入するの以上に高くついてしまう。使い続けたいなら、あまり無駄な投資をせず、OSもアップグレードせず、買ったときのまま使うのが論理的には正しいと思う。

ただ、今あるものにボードやメモリを買い足すという段階的な拡張作業のほうが、気分は楽である。パソコンの中身を全部入れ替えて新しくする、あるいは丸ごと買い換える、というのは、やっぱり、「よし、切り替えるぞ!」という決意が必要で、なかなか踏み切れない。

結局、捨てるつもりだったマザーバードは、壊れた部分を修理することなく、単純に故障箇所を避ける、という形で延命されてしまった。ここまででも、あまり合理的でない投資なのだか、どうせ手を加えるならと、土曜日には中古部品ショップに行き、メモリを買ってきた。これまた、旧式のSD-RAMなので、現行品よりも容量が小さいくせに高い。とはいえ、これで今までよりも、パソコンの使い勝手は少しよくなった。さすがに、これ以上の投資をするつもりはないのだけれど、これでもう1年くらいは使い続けることになるだろう。

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