名残惜しい粗大ゴミ
もうしばらくしたら引越しをすることになるはずなので、それに備えて、もう使う可能性のないものを粗大ゴミとして処分すべく整理中だ。職が見つかればその地に引っ越すし、見つからないなら、ひとまずここを引き払って故郷に帰る。いずれにせよ、できるだけ身軽にしておきたい。
大学院を出て就職し、あちこち転勤や転職をし、その途中では一時期2ヶ所に住んでいたこともあったりしたせいで、あらゆる所持品が、どこに何があるのか分からない雑然とした状態で、今、ここにある。きちんと整理されていてたなら宝の山だろうが、もはやゴミの山。例えば、あるパソコンは、周辺機器とつなぐケーブルが行方不明なので、使い物にならない。別のパソコンは、OSのCDが見つからないので修復できない。
きちんとメンテナンスしていれば、今でも十分使い道があるはずだが、実際には使い物にならないどころか、家のスペースをふさいでいて、家の中全体が身動きの取れない状態だ。その結果、本や雑誌も整理できてない。引越しの段ボール箱から本と雑誌を全部取り出したのは、ここに引っ越してきてから4年後のことだった。ところで、全巻そろっていたはずの本が、なぜかところどころかけている。これらもまた、きちんと整理されていたなら貴重な資料の山だが、もはや扱いにくい不良資産に過ぎない。ああ・・・ 嘆かわしい。
そういうわけで、いろいろなものを捨てることにした。どういうわけか、つらい思い出がこもっているものほど、心情的に捨てられない。あの時ああすればよかったと思う研究や実験にまつわるものは、いつか、これを使ってきちんとやり直したいという、断ちがたい思いを引き起こすので、捨てるに捨てられないのだ。むしろ、楽しい思い出にまつわるもののほうが、すてるのは簡単である。なぜなら、後悔していないから。過去の出来事としてすでに受け入れているから。
しかし、おそらく、失敗した研究やプロジェクトをやり直す機会は、もう二度と来ない。もう、この問題に手を出すことはない。それを受け入れると、気分が少し楽になる。幸か不幸か、引越し準備のため無理にでも荷物を減らさなければならないという状況のおかげで、ここ最近、少し気分がいい。
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一ヵ月後に出向と言われ、LDと中古ソフトの山をせっせと処分。 結局出向は流れたものの、片付けには成功しました。 それから数年、部屋は以前にもまして『生活不用品』で埋まり、しかもそれが片付かない今日この頃。
ガラクタを片付けるには『外圧』しかないのでしょうか。
投稿: 弓削 | 2007.03.27 00:57
> ガラクタを片付けるには『外圧』しかないのでしょうか。
そう思います。やっぱり、人間、必要に迫られないと何もしないものですね。もっとも、私の場合は、必要もないのに「将来役に立つかもしれない」と思って、街で見かけたガラクタを買い込んでしまったりすることは、ままあるのですが・・・ なお悪い?
投稿: つじ | 2007.03.27 07:45
後日談。
いつも郵便受けに「粗大ゴミを引き取ります」という業者の投げ込みチラシが入っているので、実際にいくらくらいかかるかと思って見積もりに来てもらいました。
信じられないほど高いです。畳半分くらいのスペースに積み上げた古パソコンやプリンタ、テーブルなどの処分に、運搬費も含めて5万円以上かかるので、業者さんも、「リサイクルで売り物にできるものが含まれてないので、これは自治体の粗大ゴミ回収に任せたほうがずっと安いですよ」と言っていました。向こうも、金額を言う前から、私が回収を頼むはずはないと考えていたのは間違いありません。
一人の人間が時間をかけて見積もりにやってくるためのコストだってタダではなく、私が仕事を頼まなくても、見積もりにやってきた人の給料分のお金はどこからか出ていなければなりません。それは、他の人の依頼したゴミ回収代でまかなわれるわけです。それなりに売れるものを含んだ家財道具一式を、何かの急用で一斉に処分するみたいな場合でないと、頼めないですね。
そんなわけで、市のホームページにアクセスして、粗大ゴミ回収について調べました。私の住んでいる地区は、来月の5日が最も近い回収日です。たぶん、まだ申し込みに間に合うはず。コンビニで代金を支払えるので、早めに頼むつもりです。
投稿: つじ | 2007.03.27 20:30