百合系のライトノベルが英訳出版される時代
友人のブログのコメントにも書いたのだが、日本のアニメが海外に広まるにつれて、アニメだけでは飽き足らずその原作になったマンガを読みたいという層に向けて英訳のマンガがさかんに出版されるようになったのが少し前のこと。そして最近では、マンガではなくライトノベル、挿し絵を重視した主として若い世代向けの小説も、海外で出版されるようになってきた。
少し古いところでは、『スレイヤーズ』の英語版が北米で出版されたと話題になったが、一昨日、『ストロベリーパニック』の小説の英語版が、Seven Seas Entertainment から出版されると聞いたときには、さすがにちょっと驚いた。これはまた、ピンポイント攻撃だこと。
9月13日の Seven Seas Entertainment のプレスリリース:
http://www.gomanga.com/news/press_026.php
(10月4日追記。書籍情報のページができていた。
http://www.gomanga.com/manga/strawberrypanic.php )
同社のプレスリリースによれば、2007年4月に出版する6冊のライトノベルのうちの一つが、『ストロベリーパニック』だという話である。値段は 7ドル95セント。アメリカでは書籍も他の商品と同じように売り手の判断で値引き販売できるので、実際にはもっと安くなるはずだ。なお、日本語の原書は662円である。値段が半端なのは、消費税が3%の時代のなごりだろうか?
ところで、「ライトノベル、light novel」というのは和製英語だ。もっとも、遠からず英語の辞書に載るかも知れない。ちなみに、英語版の Wikipedia には、light novel について、こういう説明があった。
A light novel (ライトノベル raito noberu, often abbreviated as ラノベ; ranobe) is a short novel with anime or manga style illustrations, primarily targeting teens and young adults. The term "light novel" is a wasei-eigo, or a Japanese term formed from words in the English language.
Unlike picture books for younger children, light novels contain more text like a novel. In recent years, light novel stories have been popular choices for adaptation into a manga or a TV anime series. Light novels are usually serialized in literary magazines like Gekkan Dragon Magazine and The Sneaker, Dengeki HP, or mediamix magazines like Comptiq and Dengeki G's Magazine. An example of the light novel would be the Slayers novels written by Hajime Kanzaka. Slayers was made into a manga series as well as a very popular anime of the same name, starring Megumi Hayashibara.
やっぱり『スレイヤーズ』ですか。ソノラマ文庫やコバルト文庫などに関する記述はなく、最近の出版潮流という扱いになっているのはちょっと残念。(日本語のWikipediaの記事のほうにはある。)
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ライトノベルが英訳出版されているとは知りませんでした。
リンク先のプレスリリースをみたら、"yuri"って書いてあってびっくり。
アニメやゲームは日本が誇る文化だとよく言われていますが、これにライトノベルも加わることになりそうですね。
投稿: tayutau | 2006.09.16 00:45
以前の日記にも書きましたが、日本製の毒はインターネット経由で世界中に蔓延しつつありますよ。
少し前にどこかの英字新聞で、北米で日本語を教えている先生のエッセイを読んだのですが、
「かつては日本語の勉強をしたいというのは、日本相手の商売をしたいビジネスマンだった。それ以前は、東洋文化に興味のある学者さんたちだったそうだ。現在、私が教えている学生は、日本のアニメやマンガを原書(!)で理解したいという理由で日本語を勉強しに来ている。」
と、いう話が載っていました。
投稿: htsuji | 2006.09.18 14:52