カレーにインスタントコーヒーを入れる理由
ときどき耳にする隠し味の話のひとつとして、「カレーを作るときにインスタントコーヒーを入れる」というのがある。残念ながら、現在我が家にはインスタントコーヒーはないし、過去、インスタントコーヒーが手元にあったときでも、そんなことを試す気には全くなれなかったので、私自身はまだ試したことがない。話を聞くたびに、なんでそんな変なことをするんだとしか思わなかった。
だが最近、何となく理由がわかった。おそらく、お茶漬けのもとのに入っているあられや、いろんな料理のソースに使うカラメルを使った風味付けと同じような、香ばしさを追加するためのテクニックに違いない。
なぜそんなことを思うかというと、最近、カレー作りで失敗したからだ。野菜を炒めるのをめんどくさがって、乱切りにした肉と野菜をそのままお湯で煮て、インスタントのカレールーのもとを溶かし込んでみたら、これが実にまずい。カレールーそのものがこげがしてしまうと油脂のこげる嫌なにおいにしかならないが、下ごしらえの段階で炒めた野菜、特にタマネギなど糖分の多いものは、適度にこげると食欲をそそる香ばしい香りになる。その香りが欠けているとできたカレーはまずい。
このまずいカレーをしみじみと味わいつつ、何が不足しているかを考えた末に気がついたのが、香りが単純すぎるということだ。ああ、炒めるのには理由があるんだなと今さらながら納得した次第である。
失敗作を救済するには、香ばしい香りを補ってやればよかろうと、冷蔵庫に残っていた材料を小さく刻んで良く炒めてからルーに追加。何とか状況は改善した。想像だが、インスタントコーヒーを入れる理由も、風味付けだと思う。今度、チャンスがあったら実験してみたい。
« 100円ショップのグラジオラス | トップページ | スパラキシス その6 »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- カレーにインスタントコーヒーを入れる理由(2006.05.03)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ただの生存報告です。(2016.09.24)
- うつ病の自分に向けた呪文を考えてみた(2016.04.03)
- 「聞く耳をもっていないのに、質問攻め」は勘弁してください(2015.10.21)
- 心の値段(2015.08.11)
- 無理心中用の核爆発設備とか(2015.08.11)
それは昔ミスター味っ子という漫画があって
その中でカレーにインスタントコーヒーを入れると
コクが出るってのをやってたからだと思う
たいてい世間に広まっている奇妙な調理法は
ミスター味っ子や美味しんぼなどの紹介からきている
両者ともアニメになりそれ相当の人間が視聴する
人気番組でもあった
投稿: おもに | 2012.09.28 15:47
おっしゃる通り、料理漫画でいろいろな「裏ワザ」が紹介されていましたね。ただ、コーヒーを入れて風味づけするという話は、かなり昔からある話ですので、『ミスター味っ子』の作者も、その話をどこかで見聞きしてマンガのストーリーに取り入れたのではないかと思います。
ところで、大手食品メーカーのカレーの素は、長年に渡る実験とたくさんのアンケート調査で求められた、最大多数が満足する調合なので、実は、「我が家独自の工夫」を加えるより、余計なことは何もしないで、ただ箱に書いてある通りに作るほうが、(作った本人は別として)第三者が味見する限りでは美味しい、という結果が出ていたりして、なかなか悩ましいものがあります。完成品に手を加えても、改良になるとは限らない。
投稿: htsuji | 2012.09.30 02:17