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2006.02.07

親切な助言者さん

とある掲示板。英語を勉強中の人が集まっているところを読んでいてちょっと嫌な気持ちになった。

ちょっと話を単純化するが、「年を取ると、もう勉強しても無駄だから勉強なんてあきらめましょう。若い人には勝てませんよ」と、説いている人がいた。どうやら本人は年配者で、最近の時流に追われてやりたくもない英語の勉強をしてTOEICの得点を高めようとしたが、なかなか伸びなくて困っている人のようだった。なんのことはない、自分の点が上がらないから、いかにも親切な忠告を装いつつ他人にも勉強するなと説いていたのだ。

自分には向かないと思って勉強を断念するだけなら、それは本人の自由。世の中には英語以外にもやるべき事柄はいくらでもあるのだから、自分に向いてないと思うことについていやいや努力する必要なんて全くない。しかし他人の勉強の邪魔をするというのであれば、話は別である。掲示板の他の参加者にその目論見をあっさり見破られ、かなり厳しい批判を受けたら、本人は今度は掲示板荒らしに豹変。いったい何を考えているのだろうか。

英語学習とは全然違う話だが、以前いた職場でも同様な光景を目にしたことがある。ある技術力のない『元』技術者が、同年代の現役のエンジニアに対して、「もう技術者としての腕を磨くのはあきらめて、社内の政治家になれ」と誘っていた。この場合は、単なる勉強の邪魔というより自分と同じような仕事をする仲間が欲しかったようではあったが、やはり、自分の欲望や思惑を隠しつつ、求められてもいない「親切な助言」を押し付けようという様子が露骨で見ていて気分が悪かった。

もし協力者が欲しいなら協力して欲しいと頼めばいいのである。助けてくれれば見返りに何かを渡すと取引を持ちかることができるなら、話はもっと進めやすい。冒頭に書いた例は論外として(自分の勉強を手伝ってくれと相手に頼むことはできても、相手に勉強しないでくれと取引を持ちかけることは無理だ)、後者の例でも、相手は即座に下心を見抜いた。親切な助言者を演じようとしても、騙すことができるのは自分自身だけだし、自分を騙してしまえば、もしかしたら得られたはずの協力まで失ってしまう。昔から言い古されているように「人の為」と書いて「偽り」と読む。偽善は、他の誰でもない本人にとっての阿片である。

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コメント

はじめまして。
私もよくビジネスの場で「親切な助言」をしている「つもり」の自己中心的な思想を隠しきれていないで、得意げに話している人をみかけます。
私は言葉の裏側を知りたい、と思ってしまい「その言葉の意図はなんだ?」と勘ぐってしまうので、ほとんどの「あなたのために」発言をしている人は、自分の私利私欲のために遠回しに言ってるな。。。と、思ってしまいます。
逆に「あなたの為に」じゃなく、ギブ&テイクのほうが素直に受け入れられるので、回るくどいのはやめてほしい。

大人の世界(社会)では(得に日本人は)、自分の心を押し殺し、良い顔している事が美徳とされているが、心真っ黒で滲み出てきているんだから、気がつけよ!と、よくよく思い、イライラもするし、ニヤニヤもします。

いらっしゃいませ、わさびさん。

洋の東西を問わず、大はイラク戦争から小は同僚と一緒に食べるランチメニューの選び方に至るまで、どういうわけか人は他人を動かすためにお願いしなければならない場面で、「あなたは、会社は、業界は、政府は、こうするべきだ!」と、いう「べき論」を唱えてしまうことかあります。

これは、目論見がうまく成功すれば、「自分は正しいことをやっている」という快感と、「自分は代償を払わずに利益だけ得る」といううまみの両方を同時に得ることができるからでしょう。非常に習慣性の強い「麻薬」だと思いますね。

でも、たいていの場合、相手にはすぐにバレてしまいます。

セールスマンが商品を売り込むとき、「わが社の100万円の機械を御社の工場で使えば、御社は1000万円儲かるんです」と言うなら強い説得力があります。「あなたの会社は、こうあらねばらなない」と、お説教をしても無駄。もちろん、まともな営業さんならそんなことはしません。

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