『1ヶ月でTOEICが128点も上がる教育機器』があるそうだ
題名に書いたような宣伝文句を、最近、ウェブサイトのあちこちで見かける。5点単位の点数しかありえない TOEICにおいて、『128点上がる』とはどういうことだ。困ったものである。
ウソか誤植かは分からないが、検索エンジンで「TOEIC "128点"」という検索語を入れて検索しても、同じ文章の宣伝がやたらと見つかる。こういう一発で間違いだと分かる宣伝文句が何ヶ月も前から延々とウェブやメールマガジンに流れ続けているのはちょっと変である。誰も突っ込まないのだろうか? 1回や2回なら単なる誤植かも知れないが、最初に宣伝が流れてから3ヶ月後の広告でも訂正されていない。
何であれ好奇心をうまく刺激して勉強の意欲を引き出すものであれば、少々うさんくさい商品であってもいちいち目くじらを立てることはないとは思うのだが、個人的には、SIIやカシオから出ているまっとうな電子辞書を買うことをお勧めしたい。なお、研究社の英和中辞典はパソコン用CD-ROMなら3000円で買える。
ところで、1ヶ月でTOEICの点数が100点上がるのは全然珍しくない。さらに言えば、逆に100点下がるのも珍しくない。私自身、1ヶ月で120点上がったことも 80点下がったこともある。長時間平均を見なければ意味がない。
おもしろいことに、先月のTOEICは、過去の問題からの再出題がほとんどなかったらしい。これまで TOEICは、写真問題でも長文読解でも1年くらい前の問題がいくつか使いまわされていたので、何度も受験していると(そして受験の後で分からなかった問題についてちゃんと復習していれば)次第に点数が上がってくる。いわゆる「テスト慣れ」の効果がある。ところが、先月は過去問が出なかったので、受験者の得点分布が明らかに前回や前々回とは違っているそうだ。
試験慣れして高得点を取っていた人は、先月の試験では痛い思いをしたかも知れない。あちこちの出版社がTOEICの出題傾向を分析して続々と本を出しているのだから、試験を運営する側としてもいつまでも同じ問題を使いまわしするわけにはいくまい。出題内容は突然変わることもあるわけだ。
私は、次の日曜にある今月の試験を受ける予定だが、どうなることやら・・・
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