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2004.10.07

外国人のための日本語の辞書がない

今日、英語の本を探しに紀伊国屋に行ったときのこと、以前よそで見かけた『暮らしのことば日本語の擬音・擬態語辞典』のことを思い出して、国語辞典売り場にも寄ってみることにした。

この辞書は、似たような意味合いの擬音語・擬態語について、微妙なニュアンスの差異を具体的に説明している。たとえば、「ほやほや」と「ほかほか」の違いについて、『どちらも暖かいものを意味するが前者は「できたて」であるという意味を含むのに対し、後者はそうとは限らない』というような説明があった。(なおかつ、昔は、「ほやほや顔」のような表現も使われていて、「できたて」という意味が必ず含まれていたわけではないとある。)

外国人から、このふたつの使い分けを聞かれたとき、こういうふうにきちんと説明するのは意外と難しい。

結局、今日はこの辞書は買わなかったのだが、辞書売り場に陳列してあった商品をいろいろながめていたら、お客さんと店員さんが話をしながらやってきた。

『日本語を勉強している人のために、日本語で説明が書かれた、日本語の辞書』が欲しいというのが、そのお客さんの希望である。本人が勉強するのだろう、初心者にありがちな、「易い(やすい)」と「易しい(やさしい)」の混同があって、「この辞書は、(読み)やすいですか?」と聞いていた。対する店員は即座に、「この辞書は、やさしいですか」の意味だと理解して応対している。外国人客の多い書店ならではのことだなと、ちょっと感心した。

さて、英語には、コウビルドやロングマンなどをはじめとして、『英語を母語としない人が学習するために特に配慮して作られた、英語で書かれた英語の辞書』がたくさんある。それに引き換え、日本語はどうだろうか?

案の定、店員さんは、「残念ながら、そういうコンセプトの辞書はありません。英語で説明してあるものならあるんですが。」と、言いながら、その場に陳列してあった日本の小学生向けに作られた辞書をひとつ手に取り、お客さんに薦めていた。

外国人向けの日本語辞典がないわけではない。例えば三省堂から、『外国人のための楽しい日本語辞典』という辞書が出版されている。実際、この店内を探してみたらあった。これは、説明はとてもていねいで、確かに日本語学習者向けだ。が、しかし、収録語彙は少ない。

くだんのお客さんが、店員さんから渡された小学生向けの国語辞典を買ったかどうか、そしてどの辞典を買ったかまでは見届けなかったが、私も興味をそそられ、その棚にあった8つの小学生向け学習国語辞典を見比べてみた。大部分の辞典は、活字こそ大きいものの、大人用の国語辞典とあまり構成は違わない。例文はほとんどないし、説明文のふりがなもついていない。ふりがながないと、説明文が読めなかったり意味が分からなかったりしたとき、さらに辞書を引き進むことができないような気がするが、読めなければ、どうせ親か先生に聞くだろうというのが編集者の考えかも知れない。大人用よりマシとはいうものの、日本語学習者に特に薦められそうなものはあまりなかった。

その中で2冊、公文の『くもんの学習国語辞典』と、三省堂の『三省堂例解小学国語辞典』は、ほとんどの語に例文があり、説明文にはふりがなが振ってあった。この2冊なら、日本語を母語としない日本語学習者向けに有益かも知れない。特に、公文のほうは、ほとんど全部の語に例文があった。見出し語の次にまず例文があり、その後に意味の説明があるという、ちょっと変わった並べ方をしている。同音異義語の多い日本語だから、見出し語と代表的な例文を見て語を探すと言うのはいいアイデアだと思う。

はたして、あの店員さんはどれを薦めたのだろうか? 店頭には各社とも1冊づつしか陳列していなかったので、もしかしたら、私が見ていない9冊目だったかも知れない。

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