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2004.10.06

不気味なコーヒーショップ

私は、駅から仕事場に行く途中で、いつも某大手コーヒーチェーンに立ち寄り「本日のコーヒー」を買い、職場で飲んでいる。コーヒーショップはふたつある。熱いコーヒーカップを持ってあまり歩きたくないので、普段は仕事場に近いほうの店を利用している。が、今日は、何となく少し遠いほうの店を使おうと思い、店に入った。

どこにでもある普通の店なのだが、レジにいる店員の雰囲気がなんだかおかしい。外国人だったわけではないと思う。態度が悪いというわけでも決してないのだが、表情やしぐさが何となく奇妙で、私は、生まれて初めて留守番電話にメッセージを残したときに味わったような、言葉が通じているかどうか分からない不安感を味わいつつ、欲しい商品を指定する。

「コーヒーは淹れている途中なので、1、2分お待ち下さい」とのこと。代金を支払い、レジの横でコーヒーを待つことにした。

私が店に入ったときには客はほとんどいなかったが、注文したあとで立て続けに7・8人の客がやってきてレジに行列する。そして、次々に商品を受け取って2階席に行ったり店の外に出て行ったりしていた。待つこと10分。さて、コーヒーはまだか?

レジに近寄ると、さっきの店員は私の顔を見てこういった。「ご注文の品はお決まりですか?」

店内に入ってきたばかりの客にかけるセリフとしてはマニュアル通りの正しいものであるが、注文を終え代金を支払い、レジの横で10分待っている客に対して言うセリフとしては、たぶん間違っている。「もう注文してお金も払ったんだけど?」といいつつ、レシートを渡すと、不思議そうにしている。注文をど忘れする店員は珍しくないし、誰にでも失敗はあるが、ここまで完全に忘れているのはさすがに珍しい。そして、やっぱり、表情はうわの空のままである。

おもわず、スティーブン・キングの小説の世界に足を踏み入れたかのような不気味な感じがして、「もういらない」といって店を出る。コーヒー代は惜しいが、それ以上に薄気味悪い感じのほうが強くて、これ以上その店にはいたくなかった。腹立ちより不気味さのほうが強かった。店員は私を呼び止めなかったし、もちろん追いかけてもなかった。店から出ようとして私がドアに手をかけたその時点で、すでにあの店員が私のことを忘れていたとしても、私は驚かない。

とにかく、そのまま仕事場のあるビルに向かい、途中にあるいつも使うほうの店に入り、コーヒーを注文しなおし、それを仕事場まで持っていって机に向かい、コーヒーをすする。それで、やっと人心地ついた。不思議なこともあるものだ。

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