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2004.08.10

無関心が組織を腐敗させる

日本学会事務センターが破産することになったそうだ。日本学会事務センターとは、学会、すなわち日本にうじゃうじゃと乱立する学者のサロン(おっと、失礼!)における事務作業、例えば、会費徴収作業や学会誌の編集・制作・発送などを代行する団体である。

今年7月3日、この団体が、各学会からの預かり金約16億5000万円を不正流用していたこと、そしてその結果、6億円の債務超過に陥っていたことが露見した。赤字を解消するための再建計画が文部省に提出されたが、そもそも利潤を出すための団体ではないのだから、巨額の赤字を解消できるような収入源などあるはずがない。しかも、ここに業務を委託していた多数の学会が一斉に契約を打ち切ってしまっている。

そして、8月9日の新聞報道によれば、結局、民事再生手続き開始の申し立てが東京地裁に棄却され、財産処分を禁じる保全管理命令を受けたとのこと。すなわち、再建は不可能であり破産することになったということである。

私が所属していた学会のなかには、ここに業務を委託していたものはなかったので、私にとっては直接の問題はない(ひとつあったような気もするが、そこは退会している)。とはいうものの、どうしてこういう馬鹿げたことが起こるのやら・・・ 実に腹立たしい。

しかし、思い当たるフシがないでもない。学会に所属している人間は、誰も経理のことなど気にしていない。ほとんど無関心である。学者として生きていくためには、研究会や発表会でせっせと自己の業績をPRしなければならないので、学会に入らないわけにはいかない。そして、会費は、安いとは言わないものの、個人で払える程度には安い。自分の書いた論文が雑誌に掲載されるかどうかなら、生活と出世がかかっているから必死になるが、納めた会費がどのように管理され何に使われているかなんて、考えたこともない人のほうが多いはずだ。どうせ、払わないでは済ませられないものなのだし、あれこれいうのも面倒くさい。

日本学会事務センターの金銭の管理は、非常にずさんであった。学者たちから事務センターに振り込まれた金は、それぞれの学会に届けられるべき金であって、事務センターの収入ではない。事務センターの収入は、各学会から仕事の対価として支払われる手数料のほうである。しかし、事務センターは、この両者を区別せず、どんぶり勘定にしていた。そして、その大きなどんぶりの中から、事務所のビルの建設費などを支払っていた。関連会社では、経費の使い込みもあった。不正はまだまだ見つかるだろう。

ずさんな経理を指摘する人はゼロではなかったが、しかし、ほとんどの人は無関心だった。文部省も放置していた。これでは、腐敗しないほうが不思議である。最終的な責任は、金を預かり管理する立場の人間に帰せられるとしても、それを放置していたのは無関心な顧客たちである。

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