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2004.07.29

解説が雑なTOEIC参考書

ある出版社のTOEIC模擬試験問題集に、奇妙な説明文があった。誰にでも間違いはあるし、一問や二問、ちょっと変な出題があっても大勢に影響はないとは思う。が、出題も解答も正しいのに、その解説文だけが間違っているというのは、どういうことだろう。ある問題についての説明が的外れで、その説明を信じると正しい選択肢を見つけることができない。にもかかわらず、正解として示されているものは正しいのである。

TOEICのリーディング問題パート5は、受験者にわざと間違いを混ぜた文章を読ませ、文中のどこが間違いなのか答えさせるという形式になっている。埋め込まれている間違いは、微妙な点を突いていることもあるし、形容詞の使い方のように、辞書を見れば一発で誤用だと分かるあからさまなものもある。私が問題集の解説を見ていて気になったのは、「辞書を見れば一発で間違いだと判明するもの」についての説明文である。

この種の問題に対する解説は、文法の間違いと同じで、「辞書を見よ。この単語は、こういう使い方をするのが通例であって、問題文にあるような使い方はしない。」と書くだけでよい。正しさの根拠は、辞書に任せてしまえばよい。微妙なニュアンスや感性が入る余地はないはずだ。ところが、そういうあからさまな問題に対して、どういうわけか、「文の意味から考えて、こうでなければならない」と、あたかもニュアンスや感性の問題であるかのような説明をしている問題集がたまにある。問題の作成者自身が説明を書いているのであれば、こんなことが起こるとは考えにくい。

確かに、受験者は、感性によって本能的に正解を見つけ出すことがある。英語に慣れている人なら、いちいち考え込んだりせずとも、「何だか理由は分からないけど、ここは変だぞ」と、反射的に間違った部分に気が付くようになる。しかし出題者は、意図的に間違った文を組み立てているはずだ。何となく間違った文章を作ってしまったわけではなく、特定の単語の正しい使い方を受験者がちゃんと知っているかどうかチェックするために、わざと間違った使い方をしているはずだ。間違いの理由を説明できないはずはない。

どうやら、この本は、アメリカの教材会社が作った模擬試験問題を日本の出版社が買いつけ、後から日本人が解説文を付け加えたもののようだ。解説を書く人は、あらかじめ正解を知っていて後付けで正当性を説明する文章を書くため、うっかりして雑な解説を書いてしまったのだろう。

普通の人が日常の中で言葉遣いについて論じるなら、「この言い方は私の感性にあわない。なんだか気持ち悪い」で、十分だと思う。しかし、参考書や問題集の中で、解説者がそれをやるのは勘弁して欲しいと思った。

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